大学進学費用を使った真相を知った聖人は、永吉と二人で万博記念公園を訪れます。
念願の、息子と一緒に太陽の塔を見ることが叶った永吉。
そこで思わぬ人物に出会うのでした。
あらすじと感想
永吉の話はホラではなかった
万博公園を歩いていると財布を落とした子供をサポートするスタッフに会います。
協力して財布を見つけ出す永吉達。
永吉の福岡弁を聞き、スタッフの女性が思わず「米田永吉さん?」と聞きます。
向井というこの女性、なんと大阪万博時に洋食レストランでウェイトレスをしていたのでした。
向井は大阪万博が忘れられず、子育てが終わった後に万博記念公園の案内スタッフとして働いています。
当時の写真を見せてもらいながら、思い出話に花が咲く永吉と向井。
どうせ顔を出して遊びに来ていただけだろう、と水を差す聖人に、向井は驚いて否定。
そして、永吉が毎日福岡から大阪まで食材を届けくれたことを教えてくれます。
その時のトラックの写真には、福岡から大阪万博までの輸送者であることが記されていました。
その実際の写真がこちら。

ドラマでは一部加工されていましたが、福岡のロイヤルセンターと万博公園のアメリカンパークを結ぶトラックであることが分かりますね。
福岡から食材を運ぶこととなった経緯については、こちらの記事に詳細がありますのでご覧ください。
あの時、永吉がいなかったらどうなっていたか・・・と話す向井。
連日大賑わいの洋食レストラン運営に欠かせない存在だったようです。
向井の証言により、永吉が福岡から大阪万博までまいにち食材を届けていた話は事実だったことが判明しました。
居酒屋で親子2人
太陽の塔を見た二人は、居酒屋に場所を移します。
ホラじゃなかっただろう、と話す永吉。
本当は、一度くらい聖人を大阪万博へ連れて行きたかった。
しかし、当時10歳だった聖人を9時間もトラックに乗せ続るわけにはいかなかったと話します。
そこで聖人は、大学費用について永吉に問いただします。
2人の仲を長年こじらせてきた問題について、その真相を知った聖人。
いくら人助けと言え、俺の人生の分かれ道となったのだと伝えます。
対して永吉はこのように言うのでいた。
「なら、今おまえの人生をきにいっとらんのか」
思いがけない問いに、気にっているに決まっている、と答える聖人。
「なら、何の問題もなか」と笑い飛ばす永吉なのでした。
どこか腑に落ちない様子の聖人でしたが、
でも、もし似たようなことがあったら、俺も同じようなことをやっていた
と伝えます。
これまで永吉を恨み続けてきた聖人。
真実を知り、金を借りたまま逃げた人物を恨むのではなく、父親のした行動を受け入れ認めることが出来ました。
「それでよか、それでこそ俺の息子だい」
永吉は笑って言うのでした。
千佳と味噌汁
重症妊娠悪阻の患者・千佳がリクエストした母の作った思い出の味噌汁。
一口すすり、目を丸くし「おいしい。ママのお味噌汁の味みたい」という千佳。
仕事帰りに駆け付けた千佳の夫も、食事を口に出来た千佳を見て安心します。
千佳は、「ママに電話してみようかな」と言うのでした。
結の話を聞き、また母の思い出の味噌汁に助けられたことから、親子の縁を大切にしようと思ったのでしょうね。
またそのころ、結の姉・歩は事務所でホームページを更新。
落ち込んでいる人や笑えなくなっている人に、大好きな服を着ることで笑顔になれると励まし、
キングオブギャルは年齢性別国籍を超えてすべての人をファッションで元気にする
と思いを記すのでした。
父の認め
帰宅後、聖人は永吉の髪の毛を切ることにします。
聖人に髪を切ってもらう永吉は、とても神妙な顔つきです。
しかしながら、ふいに口元が緩み、心からしわわせそうな様子が伝わってきました。
散髪を終えた永吉たちを見て、結たちは出来栄えを称賛。
聖人に男前にしてもらった、と喜んだ永吉は、
「やっぱりおまえは本物の農家じゃなか。おまえは本物の理容師だ」と言います。
その言葉に、聖人は後ろを向き、涙を堪えきれないのでした。
今週一番の見どころシーンがやってきましたね。
長い長い道のりを経て、正真正銘、永吉と聖人が和解しました。
正しくは、永吉はずっと聖人を思っていましたが、その不器用さから歯車が合わず
聖人も歳を重ねることで、やっと双方がうまく嚙み合ったのかもしれません。
米田家の家族は泣いている聖人を見て笑いながらも、とても喜んでいたでしょうね。
米田家の呪い
翌朝、太陽の塔を一緒に見に行けなかったことを謝る結。
困った人がいたら何をおいても助ける、それでこそ俺の孫だと言います。
先ほど、居酒屋で聖人にも言っていた言葉ですね。
なぜ私たちは米田家の呪いにかかっているのかと尋ねる結。
しかし永吉は
困っている人がいるのに理由なんていらない
その時自分にその力がなければ、人に頼ればよい
そうやって世の中は回っているんだ
と話します。
これこそ、永吉が一番大切にしてきたこと。
呪いなんかではなく、生きていくうえで自らが大切にしてきたことを、子供や孫にちゃんと伝えてきた証拠だったのです。
太陽の塔を見るという目的を果たし、糸島へ帰る永吉と佳代。
記念に家族みんなでプリクラをとります。
そしてその1か月後、永吉はこの世を去りました。
感想と考察
えーーーーーー!!
まさかの永吉が亡くなったとのナレーションに心乱れてしまいましたが、一旦話を戻しましょう。
今回、福岡から万博記念公園へ毎日食材を輸送していたのが事実だと判明しました。
やはり、永吉は聖人を万博記念に連れて行きたいと当時から思っていたのですね。
そして、前回判明した、聖人の大学資金を永吉が洪水被害にあった親子に貸して騙されてしまった話についても、真実を知った聖人が言及しました。
これにより自分の人生が大きく変わったという聖人。
しかし、永吉に促されるまま、今の人生に満足していることを認めます。
更には、俺も同じことをしていたと思う、と永吉の過去の行動に賛同の意を示すのでした。
それなら、初めから真実を伝えてくれれば、こんなに永吉を恨み続ける必要もなかったのでは?!
と一瞬思ってしまいそうです。
しかし、結が以前話していたように、これを受け止められるのは今の聖人だから。
理容師として働き、家族を養い、そして大病を経験した今だからこそ、今の人生に満足し、父のした行動を受け入れることが出来たのでしょうね。
理容師としての自分を認めてもらった聖人。
涙の理由は、やはりいくら恨み嫌っていても、父親から認めてもらいたいという長年の思いが満たされたのでしょうね。
千佳の気持ちの変化
母の思い出の味噌汁を作ってもらった千佳。
今回もやはり、千佳の演技がとても気になります。
ベッドから姿勢をただして起きている姿も、勢いよく味噌汁を飲めている姿も違和感を感じてしまいました。
私なら、ベッドから起き上がる気力もなく、横たわったまま、どうにか首の角度をかえて味噌汁を少しすすり・・
あ、飲める…?と思うも、飲みすぎると気持ち悪くなる。
それでも一口飲めただけで泣くほどうれしい!!!
となってしまいそうです。
これは、スタッフの中に悪阻を経験した人がいなかったのかもしれませんね。
白味噌の味噌汁を飲めたことにも驚きですが、いずれにせよ何か口に出来るものが見つかって良かったです!
永吉の死
そして、皆さん驚いたであろう突然のナレーションで知らされた、永吉の死去。
福岡から神戸まで来れるなんてお元気なのに、突如亡くなってしまったとは急病にかかった?
など思いましたが、実際は老衰だったようです。
永吉の突然の死について、番組統括のスタッフさん達は、次のように話しています。
演出担当とも話し、今回は、いまわの際に何か大事なことを言い残して去っていくというよりも元気で豪快な永吉さんのイメージのまま亡くなっていくのが一番ふさわしいのかなと思って今回はこうした選択となりました
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/ece59020037bedea758fe1cf69ff12638d3f7581
ドラマの裏設定では、永吉は当時91~92歳。
老衰で眠るように亡くなったと思ってほしい、とのことです。
また、別のスタッフさんはこのようにも。
永吉さんは大往生で亡くなりましたが、私たちが伝えたいのは、この世にはいないけどいる。
“人は、死してもなお残る”ということ。
生きていた頃の永吉さんの存在感を強く残したまま、旅立たれたと思います
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/ece59020037bedea758fe1cf69ff12638d3f7581
永吉さんは、最後まで豪快に人々を明るくする人物として心に残ったのですね。
次回、永吉さんの葬儀で思わぬ人々が訪れます。
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