朝ドラ「あんぱん」の6/24(火)放送予定の第13週62話について、前半はあらすじ&予想、後半は感想&考察を記します。
やなせたかしさんの史実とのリンクや、あらすじと放送後との相違点やその考察をすることが日課です。
一緒に、あんぱんの放送を楽しみましょう!
あらすじ&予想
永遠の別れと、止まった時間
のぶのもとに届いたのは、次郎の容態急変を知らせる電報でした。
すぐさま次郎の母・節子と病院に駆けつけたのぶが見たのは、昏睡状態の次郎。
「……のぶさん……母さん……」
その言葉を最後に、次郎の手から力が抜けていきました。
声にならない叫びと、突きつけられる現実。
のぶはただ呆然と立ち尽くし、涙さえ出ないまま、静かな沈黙と共に次郎を見送りました。
こうした別れには、悲しみを受け入れる余裕すら与えてくれないのですね。
命が失われるということが、こんなにも静かで、あっけないものだとは……。
やなせたかしさんご夫妻がテーマである「あんぱん」。
ということは、いつか次郎との別れがくると分かってはいたものの、やはり受け止めがたいものですね。
「うちにできる仕事があったら、何でもします」
次郎の葬儀を終えたのぶは、朝田家の前に深々と頭を下げます。
もう他人のような挨拶はいらない、という釜次の言葉に救われる一方で、羽多子は厳しくも温かい言葉をかけます。
「甘えたらいかんで」
喪失感の中にあっても、自分を保ち、前を向く強さ。
のぶは「うちにできる仕事があったら、何でもするつもりやき」と答えますが、その顔はすでに生気を失っていました。
そんなのぶに、妹・蘭子が静かに語りかけます。
「無理してでも食べるがで。……次郎さん、悲しむき」
この言葉は、悲しみに沈むすべての人に届けたいですね。
食べること、眠ること、生きること――それ自体が、故人への供養であり、自分自身の再生への一歩なのだと気づかされます。
嵩、帰還―
時を同じくして、柳井家の玄関先にひとりの兵士が立ち尽くしていました。
軍服のまま泥にまみれた男、それは嵩でした。
「柳井伍長、ただいま帰還しました」
はじめに出会ったのはしんの予定。
このしんちゃんの驚きや、それを聞いた千代子の喜ぶ姿が楽しみです。
千代子が涙ながらにその姿を抱きしめるも、嵩はすでに現実の重さを悟っていました。
千尋は、もうこの世にはいない。
そう、千尋はすでに戦死していたのでした。
寛が亡くなり、千尋が戦死し、便りのない嵩。
戦後、遺された柳井家の千尋としんにとって、嵩の帰還はどれほど喜ばしかったことでしょう。
嵩は縁側に座り、亡き父・清の手帳を取り出します。
それは、千尋が小倉まで届けてくれたものでした。
「父さん、僕よりずっと優秀な千尋を、なぜ守ってくれなかったのか……」
嵩のこの想いには、答えなどありません。
どれだけ祈っても過去には戻れず、誰かが代わりに生きることもできない。
千代子やしんが涙を流しながら語る「戻りたい、あの頃に」という願いもまた、痛切に胸に響きます。
懐かしい記憶は優しくもあり、残酷でもあるのですね。
やなせたかしさんは、若くして戦死した弟に、特別の想いを持ち続けておられました。
弟を想って書いた著書に、「おとうとものがたり」というものがあります。
こちらには、22歳で亡くなった弟・千尋さんへの想いが18集のエッセイと絵でつづられています。
次郎を亡くしたのぶと、家族を失った嵩。
二人は異なる場所で、同じように「喪失」という現実を抱えるのですね。
それでも生きなければならない。
その姿が、静かに、強く語りかけてきます――。
※この記事はあくまで予想なので、実際の放送内容と相違がある場合があることをご了承ください。
《第61話|第63話》
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感想&考察
感想は、放送後(6/24)に記載します。
お楽しみに!
《第61話|第63話》
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