嵩(北村匠海)たちが仕上げた紙芝居は、八木(妻夫木聡)の助け船のおかげで無事審査に合格する。紙芝居披露の日。重々しい雰囲気の中で始まった紙芝居だったが、次第に村人たちから笑いと拍手が起こる。泣かすつもりの内容になぜ笑うのかと首をかしげる嵩たち。嵩の意図とは違う伝わり方をしたものの、上官に評価された嵩は夢中で絵を描く日々を過ごす。
引用:guideテレビ王国
あらすじ&予想
双子の紙芝居──笑顔で伝える平和の物語
宣撫班の審査当日、嵩と健太郎は、徹夜で仕上げた紙芝居を抱えて会場へ駆け込みました。
「始めろ」との命で物語を語り始める二人。
内容は、飢えた島民を救おうとした男と、侵入者を拒んだ男が喧嘩を始め、互いを殴るたびに自分も痛むという奇妙な現象から始まる寓話です。
やがて二人は池の水面に映る顔を見て、自分たちが「双子」だったと気づきます。
そして喧嘩をやめ、互いに助け合いながら島の人々とともに暮らすという結末に──。
審査中、上官たちは「勧善懲悪のほうがいい」「鬼退治でいい」と難色を示しますが、八木が冷静に反論。
八木の一言が流れを変え、審査は合格。
嵩と健太郎は歓喜に包まれます🎊✨
舞台の上の笑い声──通じる心と、すれ違う意図
日曜日。舞台には村人たちが集まり、護衛の兵士たちに囲まれた中、紙芝居が始まります。
客席には岩男やリンの姿も。通訳付きで物語は進み、観客の反応は大盛況──しかし、後半で「泣かせるはずの場面」にも笑いが起こります。
「なんでみんなあげん笑いよったっちゃろ……」
健太郎は困惑し、嵩も少し戸惑いながら紙芝居を終えました。
片付けの最中、八木が現れて一言。
「通訳がセリフを変えて訳したんだ。こっちの連中が喜ぶように」
内容はすこし違って伝わってしまったようです。でも、嵩は静かに語ります。
「これでよかったよ。……一緒に笑えたほうがいい」
ここに込められているのは、“伝えること”より“通じること”の尊さ。
紙芝居の意味が変わっても、争いを起こさず、笑いあえる時間をつくれた。
それは何よりも価値ある“成果”だったのかもしれませんね😊🎭💫
絵で伝える平和──昇進と紙芝居の日々
この紙芝居は上官の目にも留まり、嵩は宣撫班の絵画制作主任に抜擢されました。
それからの日々、嵩と健太郎は毎日のように紙芝居を描き、村で披露する活動を続けます。
描く内容はどこまでも優しく、笑いを誘い、ときには心をほぐすものでした。
ですが一方で、戦局は激化の一途をたどり、日本の敗戦は現実味を帯びてきます──。
穏やかに見えるこの駐屯地の日々は少し浮世離れしたものだったのかもしれません。
やなせたかしが作った紙芝居
嵩達の作った紙芝居は、まさに“アートで伝える抵抗”✨
双子の物語は、立場を超えて人間としての痛みや共感を訴える構成で、嵩らしさが光っています。
やなせたかしさんが、軍隊で宣撫班として紙芝居を制作したことは実話として知られています。
そして嵩達が作った双子の物語の由来は、やなせたかしさんの父から来たものなのです。
くわしくは、こちらの記事でご紹介しています。

健太郎の「泣かせたかった」気持ちも分かるけど、嵩にとってはそれ以上に“笑ってもらえた”ということが重要だったのでしょう。
そして、八木の静かなフォローも渋い…さすがです😢🌌
次回は、この紙芝居の平穏な時間がいつまで続くのか──。
嵩の心がどこへ向かうのか、ますます目が離せません。
※この記事はあくまで予想なので、実際の放送内容と相違がある場合があることをご了承ください。
《第56話|第58話》
朝ドラ「あんぱん」あらすじ一覧はこちら
感想&考察
徹夜で作成した紙芝居。
その審査にやってきたのは…八木上等兵!
粕谷軍曹、文学等に精通している八木上等兵に、以前から宣撫班の仕事について相談していたのですね!
そこで、嵩の推薦が八木により行われたようです。
紙芝居の内容
審査で見せた紙芝居。
枚数の多さや絵の描き込み、色付けの模様。
審査用とは思えない力の入れようでしたね。
これを1日で作るなんて…健ちゃんが宣撫班に加わってくれて本当によかったです!💦
そして双子の島、というこの物語。
前半のあらすじ部分でも紹介したように、これは、やなせたかしさんが実際に戦地で作成した紙芝居によるもの。
そして、嵩の父・清さんが遺した言葉「東亜の存立と日清友好は双生の関係である」は、実際に柳瀬清さんが新聞記者時代に残した言葉なのです。
そして、現地で中国語に翻訳されながら上映した、やなせたかしさん。
現地で大笑いの喝采を得たところまで、史実どおりだったのです。
実際、本日の「あんぱん」のように、中国語の翻訳では面白おかしく訳されていたのか。
その真相は不明ですが、現地の人々に笑いを届けられることが良かったと感じた気持ちは同じだったようです。
史実と異なる点
ここまで同じように製作されている中国での紙芝居エピソード。
放送では、観客の中に女性がいましたが、やなせたかしさんは観客は男性や子供ばかりだったと振り返っています。
ただし、何故女性がいなかったのかは不明。
現地の風習で、娯楽を女性は好まなかったのか、日本人軍が恐れられていたのか…。
ドラマでは、そこまでは描かれず、若い女性も紙芝居を楽しんでおられました。
やなせさんは、女性にも見て欲しかったと仰っていたので、ドラマでは見てもらえてよかったです。
本当の絶望との戦い
さて、日本の敗戦が色濃くなり、いよいよ嵩たちの駐屯地に食料が届かなくなってきました。
そのため、食事は朝晩の2回のみ。
かつて、ヤムおじさんが語っていた本当の絶望。
それは、空腹と隣り合わせにあるものでした。
実際に、やなせさんは、空腹が最もつらいことと語っています。
明日の放送では、このドラマでもとても重要な「空腹」の辛さを実感するエピソードが描かれます。
《第56話|第58話》
朝ドラ「あんぱん」あらすじ一覧はこちら

コメント