嵩(北村匠海)が入隊して2年後の夏。久しぶりに会った千尋(中沢元紀)は、海軍の士官になっていた。ショックを隠せない嵩に、千尋は海軍予備学生に志願したことを説明する。「もう後戻りはできん」と淡々と話す千尋は、嵩にある古びた手帳を渡す。
引用:guideテレビ王国
あらすじ&予想
小倉の空の下、兄弟が語ったもの
約束の土曜日、嵩は重たい胸の内を抱えながら待ち合わせの場所へ。
真夏の光の中、白い軍服を着た千尋の姿が現れます。
「兄貴!」「おう!千尋!」
再会の笑顔の奥には、それぞれの苦しい現実がありました。
嵩は疑問をぶつけます。
「どうして志願なんかしたんだよ!」
千尋は、「卑怯者にはなりたくなかった」と語ります。
そして、対潜学校での訓練を経て、駆逐艦に乗る直前だったことも告げます。
千尋の凛とした覚悟の一言一言が、胸を締めつけます。
史実でも、やなせたかしさんの弟・千尋さんは、武山海兵団に入団後、久里浜にある機雷学校(対潜学校)に入っています。
その後の運命は有名ですが、ネタバレとなりますので、今後のあらすじをお待ちください。
弟の想い、兄の願い
千尋は、かつて伯父・寛の前で誓った「弱き者を法で救う」という夢を語りながら、それが叶わぬ現実になったと告げます。
嵩は、その想いに対し必死で訴えかけます。
「何のために生まれて、何をして生きるか?敵の潜水艦をやっつけるためじゃないだろ!」
寛が度々問うてきた、「何のために生まれて、何をして生きるか」。
散々悩み、自分の道を歩んできた嵩にとって、千尋の選択はとても寛の意思を継いでいるようには見えなかったのでしょう。
嵩の必死の訴え、千尋の大切ものを守りたい思い。
兄弟の想いが交錯するなか、嵩はまっすぐに千尋に「生きて欲しい」というメッセージを伝えます。
兄弟の絆と、伝えられた記憶
千尋が嵩に手渡したのは、亡き父・清が大陸で書き残していた日誌。
自分の“お守り”として持っていてくれと言う嵩に、千尋は「兄貴が持っていたほうがえいき」と手帳を託します。
一方、自分は父の写真を肌身離さず持っていると微笑む千尋。
嵩の知らないうちに、千尋は大切な父からの宝を手にしていたのですね。
小さい頃に寛夫妻の元に養子に来た千尋。
ずっと大切に心の支えとしてきたのでしょうね。
この静かなやりとりに、柳井家の愛と記憶が凝縮されているようです。
そして、この手帳は、いずれ戦地へと向かう嵩にとっても大切なものとなるのでした。
「たっすいがー」と叫んだ本音
語り合いの中、話題はのぶへ。
「わしはのぶさんが好きや」と千尋は真正面から気持ちをぶつけます。
千尋との会話で、やっと弟の想いに気づいた嵩。
のぶを他の男に奪われたことを「たっすいがーのアホじゃ!」と怒鳴る姿。
これまで数々のチャンスを棒に振り、のぶが他の男性と結婚するのをただ見ているだけだった嵩。
これには、いくら千尋から攻められようと、さすがに何も言い返せませんね。
そして、千尋の戦地に向かう者の覚悟。
これまで、決してのぶへの想いは心に秘めて表にださなかった千尋が、ある決意を口にします。
これはもう、放送での千尋の台詞が楽しみです。
最後の敬礼と、聞こえた音
「この戦争さえなかったら……」という千尋の叫びには、どれだけ多くの人の“もしも”が詰まっているのか。
それでも彼は、「愛する人のために生きたい」と言い切ります。
嵩はその想いを受け止め、涙をこらえながらこう告げます。
「帰ってこいよ……またシーソー乗ろうな」
海軍式の敬礼をする千尋に、陸軍の敬礼で応える嵩。
実際に、やなせたかしさんは入隊中に千尋による面会を受けています。
実際はどんな会話が繰り広げられたのか多くは明らかになっていませんが、兄弟の絆は確かにそこにあったのでしょうね。
八木の言葉と、新たな理解
兵営に戻った嵩に、八木は「弟には会えたのか」と静かに声をかけます。
嵩のことは何でもお見通しの八木。
八木と神野が同年兵だったという事実も明かされ、八木のこれまでの態度の意味がじわじわと理解されていきます。
つまり、八木は階級こそ上位ではないものの、古参者であるため、周りからも一目置かれていたのです。
個人的な思いですが、八木を妻夫木聡さんが演じられている時点で、なんだか悪役と言うイメージはわきにくいですものね。
彼らの不器用な優しさが、嵩にとっての新たな支えになっていく予感がしますね💭
※この記事はあくまで予想なので、実際の放送内容と相違がある場合があることをご了承ください。
《第53話|第55話》
朝ドラ「あんぱん」あらすじ一覧はこちら
感想&考察
感想は、放送後(6/12)に記載します。
お楽しみに!
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