草吉(阿部サダヲ)は陸軍に無事乾パンを納めて、朝田家から去っていった。釜次(吉田鋼太郎)から草吉が乾パン作りを拒んでいた理由を聞いて、言葉を失うのぶ(今田美桜)。そんな中、草吉が残していった乾パンのレシピを見つけた羽多子(江口のりこ)は、娘たちと共に乾パンを焼き続けようと奮起する。
引用:guideテレビ王国
あらすじ&予想
屋村が去った翌日、残されたもの
屋村の姿が消えた翌朝、朝田家には寂しさと決意が入り混じる空気が漂っていました。
のぶは釜次から、屋村がかつて戦場で乾パンを口にした苦い過去を聞かされます。
「欧州大戦だ」
「日本軍じゃなくて、イギリス軍として」
「塹壕で這いつくばって、涙流しながら……それでも腹は鳴る。食うものは乾パンしかなかった」
この告白、胸に刺さりますよね……。屋村にとって乾パンはただの保存食じゃなく、戦場の悲惨な記憶そのものだったんです。
本来はすぐに御免与を立ち去るはずただった。
それでも、かつての“チビ”のために、朝田家のために、彼は最後まで手を差し伸べてくれたヤムおじさんだったのでした。
朝田家の女性たち、立ち上がる!
屋村が残した乾パンの作り方を見つけた羽多子、蘭子、メイコたちは、パン作りに取り掛かります。
「長いこと一緒にパン屋やらせてもらいよったがやき」
「ここで朝田パンがのうなってしまうがは、ヤムさんじゃち本望やないき」
女性たちの力強さに心を打たれます!
あの無口で優しい屋村の背中を見送ったのに、ちゃんと前に進もうとする朝田家……このあたり、ほんと朝ドラらしい温かさがありますよね🍞✨🌸
のぶ、児童たちに語る夢
のぶは教室で、生徒たちのキラキラした目に向かって語ります。
「戦争に勝って終わった時、先生にはしたいことがあります。それは乾パンではのうて、あんぱんをみんなと一緒に食べることです」
「あんぱん」を子どもたちに食べさせたいって、ささやかなのにものすごく深い夢ですよね……。
次郎に問われていた「この戦争が終わったらやりたいこと」。
のぶにとって、一つの答えが出た瞬間でした。
※この記事はあくまで予想なので、実際の放送内容と相違がある場合があることをご了承ください。
感想&考察
ヤムさんの過去
先週、朝田家を去ってしまったヤムさん。
回想ではあるものの、今日もヤムさんを見れて嬉しいです。
ヤムさん、戦争より生きることを豪ちゃんに伝えてくれていました。
「本当の絶望はこんなもんじゃない」
「乾パンだけは作りたくない」
これらの言葉に隠されていたのは、ヤムさん自身の戦争体験だったのですね。
命の危機に直面していても、おなかは減る。
銃撃戦のさなか、乾パンを急いで口にするヤムさんの悲しい表情が、その瞳が忘れられません。
前向きな朝田家
やっぱり、あの夜、ヤムさんがこっそり書いていたメモは、乾パンの作り方だったのですね。
それにしても、釜戸の中に隠しておくなんて、このまま見つからなかったらどうしたんだろう…と野暮心配をしてしまいました。
上手く焼けない乾パンに試行錯誤したり、あんぱん製作にも挑戦しようとする羽多子の前向きさが偉大です。
そして、乾パンを手伝う蘭子。
決して戦争に賛同している訳ではない。でも、家族が生きていくためには協力する。
蘭子のブレない考えは変わらないものの、相反する現実をそのまま受け入れる蘭子の強さを感じますね。
ヤムさんの気持ち
自分のせいでヤムおんちゃんが出て行ってしまった…と落ち込むのぶに、釜次が優しい忠告をしていましたね。
釜次の言う通り、私もヤムさんが出て行ったのは、のぶのせいではないと思います。
風来坊でもせっかく10年も御免与にいたのに、出ていくきっかけをつくってしまったと思う方もいるかもしれません。
ですが、乾パンの依頼が来たのは、のぶが自ら取って来た仕事ではありません(それに、羽多子とメイコの婦人会での活躍も評価されてのものでした)。
のぶがヤムさんに、どのような形でお願いしようとも、すぐに諦めていようとも、断ることでの朝田家の周囲からの仕打ちは変わらなかったでしょう。
ヤムさんは、何より朝田家の人々が辛い思いをしていることに耐えられなかったのだと思います。
そして勝手な妄想ですが、戦火が激しくなる時勢、自ら再び戦地に行くことを逃れるためにも、居住地を定めず点々をしようという気持ちも全くなかった訳ではないのではと考えてしまします。(そんなことで出征を免れることができたのかは分かりませんが…)
第10週から新しく公開された相関図にまだ載っているヤムさん。
今日の回想シーンのために載っていたのか、はたまた今後(おそらく終戦後?)また登場してくれるのか。
どうか後者であることを願ってやみませんね。
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