小倉連隊に動員が下令され、嵩(北村匠海)は中国に行くことに。出発前日、嵩はひとり星を眺める八木(妻夫木聡)にこれまでのお礼を伝え、八木の横顔が描かれたスケッチを渡す。
引用:guideテレビ王国
あらすじ&予想
出陣前夜
千尋が旅立ってから一か月。嵩たち小倉連隊にもついに出動の命が下され、緊張感が走ります。
その前夜、兵たちは車座になって酒盛りをしていました。
「いよいよ明日は出陣だ!もっとたらふく飲め!」
浮かれる声のなか、八木はひとりふらりと姿を消します。
嵩はその背中を追い、兵舎裏で星を見上げる八木と並んで座ります。
「……兵隊って悲しいですね。自分たちがどこの戦地に行くのかも知らされないなんて」
淡々と「危ないな」と答える八木の言葉が、逆に現実の重さを際立たせます。
何も語らず空を見上げる二人の姿に、胸が締めつけられますね🌌
弱さと向き合うための教え
嵩は、八木の横顔をスケッチしながら自分の不安を吐露します。
すると八木は静かに、でも鋭く告げます。
「弱い者が戦場で生き残るには……卑怯者になることだ」
耳を疑うような言葉ですが、だからこそ真実味があります。
仲間を失っても復讐を考えるな、生き延びることだけを考えろ──その厳しすぎる教えの裏には、八木自身の経験がにじんでいるようにも思えました。
「弱い者から死んでいく」──この言葉が、心に重く響きます。
戦地に向かう嵩に、今、八木が一番伝えたいことだったのでしょう。
星の下のスケッチ、そして決意
嵩は描き上げた絵を八木に渡します。
それは、黙って星を見上げる八木の横顔。
「戦友殿……色々ありがとうございます」
不器用な八木はそっと去っていきますが、絵だけは持ち去ってくれたようです。
新たな地での、思いがけない再会
出征した嵩たちがたどり着いたのは、中国福建省の奥地。
戦闘もなく、無事に駐屯地へ到着しました。
市場には中国人も多く働いており、異国の生活が始まります。
すると、どこからか土佐弁が!
「たまるか!! たっすいがの嵩やいか!」
駆け寄ってきたのは岩男。まさかの再会に、嵩も康太もびっくりです。
「岩男くん!!!」「おまんらに会えるらあて!」
敵地の真ん中で、こんな再会ある!?とツッコミたくなるほど奇跡的な瞬間🌍✨
こんなこと、実際には中々あり得ないかとは思いますが、ここはフィクションなので、物語をより楽しむための再登場はありがたく受け入れましょう!
子ども時代への一瞬の帰還
岩男は、昔の思い出を懐かしそうに語ります。
「嵩ドノから奪うて食べた弁当は、ほんまにうまかったねや」
「ハチキンおのぶに見つかって、下駄で殴られたのであります!」
のぶの“下駄アタック”がここで再登場😂
異国の地で命の保証もない状況の中、彼らの笑い声が本当に尊く感じられます。
岩男のところどころ交じる敬語。
これは、嵩が幹部候補生試験に合格し、伍長という階級であるためですね。
昔とは立場が逆転したかのような、岩男と嵩。
ですが、この瞬間だけは、まるで時間が止まっているよう。
ただの昔話なのに、戦地でその話ができることの喜びを強く感じます。
この第55話では、出征・別れ・不安の中にあっても、誰かとの「つながり」が希望になっていく様子が描かれていました。
戦争のリアルを描きつつ、決して絶望で終わらせないこの物語の温かさ。
次週は、いよいよ嵩たちが本格的に現地任務へと入っていくのでしょうか。
どうか、この笑顔がまた見られますように……🙏💫
※この記事はあくまで予想なので、実際の放送内容と相違がある場合があることをご了承ください。
《第54話|第56話》
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感想&考察
いよいよ、嵩たちの部隊にも出陣の命が下されましたね。
前夜、酒を飲んでバカ騒ぎする中、嵩と八木は2人語り合いました。
そして、隊員たちの似顔絵を描いてあげる嵩。
これは予定外のシーンでしたが、この後八木に似顔絵を書いてあげる流れを作るために加えられたと考えられますね。
八木の本音
これまで幾度と助けてくれたお礼を伝える嵩。
八木は、井伏鱒二のせいだ、と言います。
同じく井伏鱒二が好きだった八木。
そこから、同じ匂いを感じたため、嵩に親近感を感じていたのでした。
けれども、精神的な強さが自分とは真逆である嵩。
人に優しく弱い面もある嵩が軍隊で生き抜くためには、立ち回りのうまさと、階級を上げることが必要。
そのために、「軍人勅諭」を覚えさせたり、幹部候補生試験を受けさせる手助けをしたのでした。
何故、こんなにも八木は嵩を助けるのかと不思議でしたが、八木なりの、嵩が生き抜くための導きだったのですね。
(確かに、軍人勅諭も言えない、階級も上がらないままでは、嵩はずっと殴られ続けていたかもしれません…)
嵩の本音
戦地に行っても、自分は何としても生きて帰って来たい。
何のために生まれてきたのかわからないままは嫌だと言う、寛の教えが心に残っています。
千尋との対話でも、「生きること」について強く想いを伝えた嵩。
もちろん、自分自身も生きて帰ることに強い執着を持つことができていたのですね。
地元から送り出される際には、「行ってきます(行って帰ってきます)」と言ってはいけない、戦地で命を落とす覚悟で臨まなければいけない雰囲気でした。
しかし、実際の軍隊の中では、「生きて帰って来たい」と口にだしても良かったのでしょうか。
それとも、信頼できる八木上等兵だったからこそ、嵩は胸の内を明かしたのでしょうか…。
中国・福健省
さて、いよいよ中国・福健省に到着しました。
既に到着して活動していた日本兵から、敵と間違われるシーンにはヒヤヒヤ。
このシーンも元は無く追加されたものだったので、ビックリしました。
さっそく銃撃戦が繰り広げられるのかと思いきや、現地の市場を見物したりとのんびりな様子。
そして、まさかの岩男の登場!
のぶと嵩の幼少期時代、やけに意地悪な子供たちがよく映し出されるなぁ…と思っていたら、大人になってからも登場するのですね。
岩男と言えば、かつて蘭子に求婚した人物。
性格の悪い一面が見え隠れしていた気がしますが、それでも戦地での再開は嬉しいものですね。
実際に戦争でそんな再開が起こることは稀ではと思いますが、こればかりはドラマならではの演出です。
今日の追加シーンとカットシーン
今日は、予定されていたあらすじから、カットシーンや追加シーンが色々とありました。
まずは、八木とのやりとり。
千尋との面会から帰った嵩に、八木は弟が戦地に向かう前に最後に会いに来たのでは…とお見通しの様子で声をかけるはずでした。
しかし、この場面はまるまるカット。
昨日の放送の感動の余韻をつぶさないために、あえてカットしたのではないかと予想されます。
そして追加シーン。
先ほども述べましたが、まずは、嵩が隊の仲間たちに似顔絵を描くシーン。
八木に似顔絵を描く場面はありまいたが、仲間たちに披露するのは予定外でした。
そしてもう一つの追加シーンが、本日ラストの粕谷軍曹が嵩に、八木の似顔絵を描いたのは柳井伍長かを問いただす場面。
今日の放送では、似顔絵に関するシーンが2場面も追加されていたのです。
来週からのあらすじをご覧の方は、似顔絵がなぜここまで重視されているか、お分かりですよね。
知っていても、来週どんな展開といて描かれるのかが楽しみなのが、朝ドラの凄いところ。
放送を楽しみに待ちましょう!
《第54話|第56話》
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