主頭の嵩(北村匠海)を見て全てを悟ったのぶ(今田美桜)は、「おめでとうございます」と頭を下げる。迎えた出征の日。町の人たちに激励される嵩に、千代子(戸田菜穂)も必死に言葉を絞り出す。すると、そこにとある人物が現れ…。引用:guideテレビ王国
あらすじ&予想
かつての朝田パンとの再会
御免与に帰省した嵩が足を向けた朝田パンは、以前の活気を失い、閑散とした様子でした。
立ち尽くしている嵩に羽多子が声をかけます。
「おばさん、お久しぶりです。お店どうしたんですか?……あの、ヤムさんは?」
「色々あって、ヤムさん、もうおらんがよ」
屋村がもういない現実に、嵩は愕然とし、放心しました。
すると背後から、のぶの声が響きました。
「……嵩も、行くがかえ?」
赤紙を受け取り、出征する嵩に、のぶは形式的な言葉しかかけられません。
生徒の兄と次郎、そして嵩にも、本心を伝えることはできないのぶでした。
二人の間に、以前のような心の通い合いは感じられぬまま、出征の日を迎えることとなりそうです。
出征の朝、母の叫び
出征の日、御免与商店街には『祝 出征・柳井嵩君』の幟が立ち並び、激励の声が響いていました。
千代子は寛の遺影を手に嵩を見送ろうとしますが、震える声しか出せません。
「御国のために立派に……」
その声をかき消したのは、遠くから響く登美子の叫びでした。
「死んじゃダメよ!生きるのよ!」
登美子は憲兵に制止されながらも、必死に嵩に訴えます。
すると、のぶもまた、登美子を庇い、憲兵に向かって声を上げます。
「御国を思う気持ちは皆同じです……けんど、生きてもんてきてほしいと願うのは、母親なら当然やと思います」
嵩は勇気を振り絞り、のぶと母に向かって微笑みました。
そして、覚悟を決めて歩き出します。
のぶ、ついに「生きてほしい」という本当の気持ちを伝えることができました。
自由に生きたい嵩と、お国のためを想うのぶ。
すれ違ってきた2人のわだかまりが、やっとなくなり、また通じ合うことができて本当によかったです。
軍隊の現実
高知連隊に招集された嵩は、中隊本部でかつての同級生・康太と再会します。
(この後、嵩の軍生活は厳しくも、懐かしい人との再会がいくつか待っていそうです)
二人とも小倉連隊への転属を命じられ、厳しい指導が待ち受けていました。
嵩の頬に平手打ちが飛び、彼の心に不安と絶望が広がります💥。
小倉連隊では、厳しい訓練が始まります。嵩は幻のように健太郎を見た気がしましたが、それは幻かもしれません。
そんな嵩の前に現れたのは、只者ではない風格の八木信之介。
嵩は威圧感に気圧され、覚悟を決めました。
嵩の心情
出征を前に、のぶや母・登美子の必死の声が心に残る嵩。
母からの「死んじゃダメ、生きるのよ」の言葉は、のぶの「必ずもんてこい」という叫びと共に、彼を支えていました。
けれど軍の現実はあまりにも厳しく、嵩はこれからの苦難を前に、心細さを感じてしまいます。
それでも、弱い自分を奮い立たせようと必死に自分を奮い立たせていたのです🌸。
出征と別れ、そして戦場の現実。家族の愛情と戦争の冷たい現実が胸を締めつけますね。
のぶと嵩、それぞれの心に去来する想いがとても切なく響きます✨。
※この記事はあくまで予想なので、実際の放送内容と相違がある場合があることをご了承ください。
感想&考察
「お国のために、立派な御奉公を」
出征する嵩に向け、のぶがかけた言葉。
登美子から「あなたは戦争に向いていない」と言われ、傷ついたはずなのに、万歳と送り出されてもどこか悲しい。
嵩の、戦争になんか行きたくない、生きたい、という本心が見え隠れします。
嵩の出征
町の人が嵩を鼓舞し見送るなか、悲しみを隠せない千代子。
会えるのは最後かもしれない、未練が残らないように送り出すよう励ます民江。
嵩に死んでほしくない、という民江の気持ちが痛いほと伝わってきましたね。
それでも決して口には出来ず、でも涙を止めることはできず。
穏やかな性格の千代子は、民江の言う通り、立派に御奉公を…と口にするしかない様子でした。
登美子・登場
「嵩、死んだらだめよ!」
そう叫びながら登場した登美子。
「絶対に帰って来なさい」
「逃げ回ってもいいから、卑怯だと思われてもいい、何をしてもいいから生きて帰って来なさい」
「死んだらダメよ!生きるのよ!」
顔をゆがめ、涙を流しながら嵩の頬に両手を添える登美子。
そして、その横には同じく涙ながらに登美子の言葉ひとつひとつに頷く千代子。
登美子の自分の意思を曲げない性格が、ここに来て嵩の救いの言葉に繋がりました。
嵩が一番欲しかった母親からの愛。
憲兵や周囲からの目を憚る事なく、息子への愛をまっすぐに伝えてくれる姿に、嵩はどれほど心満たされたでしょう。
登美子の「生きろ」というメッセージは、決して自分一人では口に出来なかった千代子の想い、さらには、ずっと心に秘めていたのぶの本心をも引き出してくれるものでした。
出征に向け気持ちが伴っていなかった嵩ですが、そんな母の姿を見て、何か心が決まった様子でしたね。
戦争は嫌い、でも、愛する母や大切な人の想いを受け止め、その人たちを守るために行動する。
嵩の中での決意が固まったように思えました。
八木上等兵・登場
高知連隊から小倉連隊に配置換えとなった嵩。
ここで、これからの重要人物となる八木信之介と出会うこととなります。
ちょっと意外だったのが、嵩の背が高かったこと。
上等兵として一目置かれるような存在の八木が、初めて嵩と出会い「お前何者だ」と尋ねたシーン。
てっきり、八木の方が身長が高く見下ろすのかと思いきや、嵩の方が高かったですね。
調べてみると、八木を演じる妻夫木聡さんは身長171㎝。
対して、嵩を演じる北村匠海さんは177㎝のようでした。
妻夫木聡さんの身長が特別低いわけではありませんが、たまたまこのペアの場合、北村匠海さんの方が6㎝上。
下から睨みつける上等兵もまた、緊迫した恐ろしさがありました。
これからその存在感を強め、嵩にとってキーマンとなる八木。
どんなキャラクターを見せてくれるのか、楽しみですね。
《第49話|第51話》
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